2009年05月11日

来年の花粉はどうなる!?夏の天候がポイントに!

10日(日)は、各地で気温が上昇し、最高気温が30℃を超えて真夏日になったところが続出しました。今年最高の気温となった他、5月の観測史上最高気温を記録した地点も多くあり、とにかく暑い一日でしたね。

今週は、日本海にある前線が広い範囲に雨を降らせ、これを機に気温は平年並みに落ち着く見込みです。

花粉症の方は、シラカバやイネ科花粉を除いて、すっかり症状が落ち着いた頃ではないでしょうか。

花粉症シーズンも終盤ですが、スギやヒノキの花芽(将来花になる芽)は、もうすぐやってくる夏に形成されます。つまり、夏の天候によって来年の花粉飛散量が決まるというわけなんです。

というわけで、少し早めではありますが、来年の花粉(スギ科やヒノキ科)の展望をしてみました。


■来年も花粉のつらい年に??■

4月27日の記事でもお伝えしましたが、春に飛ぶ花粉の量というのは、
その前年の夏の天候(特に7月~8月上旬)と深い関係があります。

この期間、晴れて気温が高く雨が少ないと、花芽がたくさん付くため、翌春の花粉量は多くなります。
逆に、雨が多く、晴れる日や暑い日が少ないと花粉量は少なくなります。

では、今年の夏はどうでしょうか?

5月11日現在、気象庁から発表されている夏の予報は、
2月25日に発表された暖候期予報(6月~8月の予報)と
4月23日に発表された3ヶ月予報(5月~7月)があります。

この二つの予報資料の結果から、次のような特徴が見られます。

●太平洋高気圧の日本付近への張り出しは、平年程度に強まる。
●上空の気温は、高い傾向がある。
●冷夏と関係の深いエルニーニョ現象は発生しない。

総合的に判断すると、

『西日本~東北地方にかけて、夏らしい夏がくる確率は、総じて70~80%』

といえるでしょう。
この予想通りになれば、スギやヒノキが花芽をたくさん付けるのには、非常に適した(?)夏になりそうで、
来年の春も今年と同様、大量飛散の恐れがあるかもしれません。

花粉症の方にとってはあまりうれしくない予想になってしまいましたね。
ただ、これはあくまで現段階の予想ですので、来年もまたこの花粉情報ページを参考に、
万全の対策をとってくださいね。


■ご愛読ありがとうございました!■

約3ヶ月に渡りお届けしてきましたこの連載も今日で最終回です。
少しでも皆さんのお役に立てましたでしょうか?

今後も、気象を通じて皆さまの生活をより良いものにできたらいいなと思います。
ご愛読、ありがとうございました!

2009年05月07日

花粉はほぼ終息。今春の花粉の特徴を総まとめ!

大型連休中、皆さんの症状はいかがでしたでしょうか?

今後一週間の飛散予想をみると、北海道でやや多い他は少ない予想になっています。どうやら今春の花粉は、北海道のシラカバ花粉や本州のイネ科花粉など一部を除き、ほぼゴールにたどり着いた!と言えるでしょう。

では、今春の花粉を簡単に振り返ってみます。大きな特徴はふたつ挙げられるかと思います。


■特徴1:飛散開始とともに猛烈飛散に!■

まずひとつ目は、飛散開始とともに記録的な大飛散になったこと。

ちょうどバレンタインデーの頃ですが、春一番で初夏の陽気になり、一気にスギの雄花が開花しました。
このため、東京の都心部では2月としては過去に類をみないほどの大飛散となり、
過去のピーク時の記録にも匹敵するほどの猛烈な飛散となりました。

都心以外でも、関東~九州にかけて、数日間にわたる大飛散を記録したため、
一気に症状が悪化した方も多かったと思います。


■特徴2:シーズン予測を上回る大量飛散年に!■

そしてふたつ目は、シーズン当初の予想よりも飛散量が大幅に多くなったこと。

多くの地点で、予測量の1.5~2倍程度の量を記録し、
去年と比べても数倍となった地点が続出しました。

結果として、都内では過去最大の飛散となった2005年以来の大量飛散を記録し、
愛知県や山形県などでは、過去20年間で3番目に多い飛散を記録しています。

このようになった理由としては、スギの樹齢が増していること(4月20日記事参照)や
去年の夏の天候などにより、想定以上の雄花を付けていたことなどが挙げられるかと思いますが、
もうひとつ考えられるのは“花粉の再飛散”です。


■厄介な花粉の再飛散とは?■

コンクリートやアスファルトに覆われた都会では、花粉が土などに吸収されず、
何度も舞い上がることになります。これを、花粉の再飛散と呼んでいます。

晴れて雨の降らない日が続くと、何度も何度も同じ花粉が舞い続け、観測されることになります。
このため、晴天が続くと必然的に花粉量が増えたようにも見えてしまうのです。

実際、今年の4月前半は乾燥した晴天が10日間も続いたので、
この期間はかなりの再飛散があったとも推定されます。

この先、都市化が進むと一段と花粉予測が難しくなりそうですね。

2009年05月04日

大型連休後半は怪しい雲行きに…。北海道では桜が見頃です!

今年のゴールデンウィーク前半は晴天に恵まれ、全国的に行楽日和の日が多くなりましたね。お出かけされた方も多かったのではないでしょうか。

ただ、今後は日本付近を広く覆っていた高気圧が、東の海上へと離れていきます。また、3日に発生した台風1号の影響で、日本付近には暖かく湿った空気が流れ込んできそうです。

このため、大気の状態が不安定になり、4日から5日にかけては、西日本や東日本、東北地方の所々で雨が降りそうです。6日も、東日本の太平洋側では雨が降りやすいので、これらの地域へお出かけの方は、折りたたみ傘を持って行った方がよさそうです。

各地の花粉の飛散状況ですが、西日本や東日本では、ほとんどの所で少なくなっており、ヒノキ花粉の終息もまもなくかと思われます。一方、東北地方は、晴れて気温が上がるとまだ一部で非常に多く飛んでいる所もあるようです。

そして、今注目すべきは北海道。
4月29日に札幌でシラカバ花粉の飛散が開始となり、これからシーズンを迎えようとしています。
この先も、北日本では晴れて暖かい日が続く見込みですので、シラカバ花粉の飛散に注意が必要です。


■日本列島・最後の桜が見頃!■

さて、上述したとおり、北海道ではこれからシラカバ花粉の飛散が始まろうとしているのですが、
それと合わせるかのように、桜前線が北海道を北上しています。

北海道には、函館市の「五稜郭公園」、札幌市の「円山公園」、松前郡の「松前公園」などの
桜の名所がありますので、ゴールデンウィーク中に、お花見旅行に行かれる方も多いのでは
ないでしょうか?

函館は5月1日に桜が満開となりました。

すでに開花している札幌、帯広(5/1)、旭川、室蘭(5/3)などでも、
気温の高い日が続いていることもあり、開花後3~4日ほど、つまり連休中かその後すぐにも
満開となる所が多くなりそうですよ。

お天気も大きな崩れはなさそうで、お花見日和が続きそうです。

ただ、晴れて気温が上がると、シラカバ花粉の量も多くなります。
対策をしっかりとして、日本列島・最後の桜を楽しんでくださいね。

2009年04月30日

大型連休の天気と花粉の種類は?今度はイネ科花粉も登場!

大型連休がスタートし、日に日に安定した晴れとなってきています。30日(木)も移動性の高気圧に覆われて全国的に気持ちの良い青空が広がっています。現在のところ、この先も連休中に天気が大きく崩れることはない見込みです。

そして、気になる全国の花粉飛散ですが、まず、北海道では気温がさらに上がるため、間もなくシラカバ花粉の飛散が開始する見込みです。

東北地方は、週末にかけてスギ花粉が「やや多い」~「多い」予想となっていますので、油断できない状況が続くでしょう。

西日本や東日本では、ヒノキ花粉などは多くの所で「少ない」予想ですが、今度はイネ科花粉が地域によって若干ながら飛び始めてきています。

地方によって花粉の飛ぶ種類が異なってきていますので、
旅行に行かれる方は、お出かけ先の花粉の飛散量だけでなく、
花粉の種類も気にしてみると良いでしょう。


■実はごく身近なイネ科花粉!■

さて、先ほども触れた“イネ科花粉”(カモガヤ、ネズミホソムギ、ハルガヤなど)ですが、
どんなものか少し想像しにくいですよね?

でも、上の写真をご覧いただくと、身覚えがある方も多くいらっしゃると思います。
これらは全国各地の公園や路肩、河川敷など、ごく身近にある植物なんです。

4月13日の記事でお伝えしたように、このイネ科花粉の特徴は、花粉の飛散距離が短いことです。
広範囲で影響を及ぼすことはありませんが、草の生えている所から40m以内では花粉がたくさん
飛ぶと言われています。

そのため、河川敷のイネ科植物の群生地や公園の草むらの中で遊んでいた子供たちが、
大量に花粉を浴びてしまうケースが多くあるようです。

大型連休中の行楽先では、緑に触れる機会がいつもより増える方も多いですよね。
花粉症の方は公園や河川敷を利用する際、イネ科植物を見つけたらできるだけ近付かないなど、
少し注意してみるとよいかもしれません。

花粉対策が万全なら、さらに楽しく休日を過ごせるはず。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

2009年04月27日

前半は行楽日和に!大型連休の花粉対策は?

先週末から大型連休がスタートしました。荒れた天気でスタートしたものの、今週はまずまずの行楽日和。連休前半は全国的に晴れる日が多くなりそうです。遠出を計画している方も多いと思いますので、気になる花粉情報を見てみましょう。

本日(27日)発表の全国の飛散状況を見ると“少ない”という予測が出ているところがほとんどです。前回の記事でお伝えしたように、スギ・ヒノキ科花粉はそろそろ終わりがみえてきました。

西日本はスギ・ヒノキともにほぼ終息へ。
東日本はヒノキが“やや多い”レベルですが、間もなく終息へ向かう見込みです。
ただし、北日本については、青森や岩手などでまだ“非常に多い”飛散が予測されます。

大型連休に北日本方面へお出かけの方は、
出先でツライ思いをしないためにも花粉対策をとった方が良さそうですよ。


■地球温暖化と花粉症■

ところで、4月20日の記事でお伝えしたように、花粉の飛散量は近年増加する傾向にあります。

今年は特にその傾向が顕著で、環境省のデータで主要都市における今年の飛散数を
過去10年の平均と比較してみると、かなり多い数字となっていることがわかります。(上図参照)

この原因は、気象条件の変化にあると考えられます。

花粉の総飛散量は、前年の夏の気象条件(主に日射量や気温、降水量)に大きく左右されることが
知られていますが、過去のデータから、

“気温が高く日射量が多いと花粉は多くなり、逆に雨量が多く湿っていると花粉の量が少なくなる”

という傾向があることがわかっています。

昨年の夏は、特に7月の気温が全国的に高く、西日本と東日本の太平洋側では日照時間が
かなり長かったため、量が多くなったとも考えられます。

近年問題になっている地球温暖化で気温が上昇すれば、
それだけ花粉の量も多くなることも考えられるのです。

花粉症の方も、花粉症でない方も、地球温暖化を身近な問題として、一緒に考えていきたいですね。

2009年04月23日

花粉飛散は、大型連休とともに終息か!?

先週金曜日(17日)、環境省から今シーズンのスギ・ヒノキ科花粉の終息予測が発表されました。

それによると、今月の気温が全般に高く推移したため、例年より一週間程度早く終息する予測になっています。域別の予測をみてみましょう。

<西日本>
九州・四国・中国ではほぼ終息しており、近畿のヒノキ花粉の終息も時間の問題です。

<東日本>
スギ花粉はほぼ終息したとみられ、ヒノキ花粉はまだ多く飛んでいますが、これもあと一週間程度で終息する予想です。

<北日本>
東北や北海道(函館周辺)のスギ花粉もピークを過ぎており、5月上旬には終息する予想となっています。

以上のように、今年の花粉もいよいよゴールが見えてきました。まもなく大型連休が始まりますが、
花粉飛散の方は、連休とともに終息を迎える予想です。

とは言え、それまではまだまだ花粉対策が必要とも言えるでしょう。
また、スギ・ヒノキ科花粉が終わっても、北海道はシラカバ花粉、
本州付近はイネ科花粉(4月13日の記事参照)の飛散が本格化しますので、ご注意下さい。


■花粉予測の難敵は遠方からの飛散!■

ところで、今年も日々の花粉飛散予想を参考にされた方も多かったと思いますが、
この飛散量の予想を難しくしているものに、“遠方飛散”があるのをご存知ですか?

林野庁が発表している『首都圏に飛散するスギ花粉の発生源地域の推定』マップ(上図)をご覧下さい。

首都圏には、奥多摩や秩父はもちろん、100キロ以上も離れた静岡県や関東北部の山沿い方面からも
多くの花粉が飛来している事が分かります。(あくまでも、推定ですが……)

花粉は軽いながらもゆっくりと落下するため、風速5メートル程度の風では、数キロしか移動しません。
それにも関わらず100キロ以上も移動するのは、日中の対流活動により、
花粉が上空高く舞い上がり、強い風に乗って遠方まで運ばれるためなのです。

ですから、この遠方からの花粉をいかに正確に予想するかが、
花粉予測の生命線にもなっているのです。

強風の日は、まだまだ思わぬ遠方からの飛来も考えられますので、引き続きご用心下さい。

2009年04月20日

各地で予想を超えて飛散中。花粉が増えている原因は?

週末は、全国的に晴れて暖かくなったため、先週まで少しおさまっていた花粉も山沿いを中心に非常に多く飛んだ所がありました。花粉症の方は、花粉の飛散がいつ終わるのか気になる所ですよね。

さっそく、全国の花粉の種類別、飛散状況を見てみましょう。

<西日本>
スギ花粉はほぼ終息してきています。ヒノキ花粉も最盛期を超えてきているのですが、近畿地方などでは、まだ、晴れると非常に多く飛ぶ所もあるようです。

<東日本>
スギは終息に向かいつつありますが、ヒノキがピークを迎えています。

<東北>
スギの最盛期は過ぎてきましたが、暖かい晴天の日はまだまだ大量飛散の可能性があります。

<北海道>
ハンノキ花粉が飛んでいますが、花粉量は少なくなっています。これから、シラカバ花粉の飛散が始まりますが、今春は少ない予測になっているようです。

今週は、春らしく天気は周期的に変化しそうです。
各地で花粉のピークは過ぎつつありますが、
雨の日はおさまっていた花粉も、晴れると一気に飛ぶおそれがあります。

引き続き注意をしてください。


■近年は花粉飛散量が増加中!その原因は?■

さて、4月9日、16日の記事でも触れましたが、
今年の花粉は当初の飛散予測を大幅に上回っている所が多くなっています。

実はこれは今年に限ったことではなく、近年、花粉の量は増えている傾向にあるんです。
いったいなぜなのでしょうか?

スギ・ヒノキの人工林は、森林面積の約30%を占めていますが、
この面積はほとんど増加していませんので、木が増えているのではありません。
実はスギの樹齢に関係があるのです。

通常、スギ花粉が多く生産されるのは樹齢が30年以上のものだと言われています。
日本におけるスギ・ヒノキの植林は、木材資源の確保などを目的として、
昭和20年代から40年代に全国で行われました。

しかし、国産の木材利用低迷などでスギ林の伐採が進まず、
花粉を多く出す樹齢の高い木がたくさん育ってしまったため、
スギ花粉の飛散量が増加しているということなのです。

上の図はスギの全国齢級別面積を表したもの(林業科学技術振興所 横山敏孝氏 提供)ですが、
やはり、樹齢30~40年の面積が大きくなっているのがわかります。

スギは樹齢約100年まで大量に花粉を出すと言われていますので、
引き続き少なくともあと50年は、大量のスギ花粉が続くいうことになりますよね……。

今後の花粉の飛散量は、花粉の少ないスギ林に変えていくという取り組み(3月23日に紹介)と共に、
現在成長しているスギを木材としていかに利用できるかにかかっていると言えそうです。